古代の地名を考える

2020年8月号(263号)

『魏志』倭人伝に初めて、倭国の女王として登場する卑弥呼。その墓とする説もある箸墓古墳(奈良県桜井市箸中)の近くに立って真東の方向を眺めると、田んぼの向こうになだらかな山並みが見える。右手に三輪山、真ん中の奥に巻向山、そして左手手前にあるのが穴師山。三つの山についての一般的な呼び名とされるが、これがなかなかに奥が深い。例えば「巻向」山というが、3世紀初めに突然出現し、それまでとは一線を画す計画的な都市形成によって誕生したとされる、日本列島初の王都は「纒向遺跡」と呼ばれる。纒向、巻向には、別に「まきもく」という読みさえある。表記や読み(訓み)はなぜ複数あるのか、どんな歴史的変遷があるのか、素朴に疑問に思う人も多いに違いない。  これはまだ解明されていない難問の一つで、研究者が挑み続けている。古代史ファン・奈良ファンを引き止めて止まない深い謎に、ちょっとでも近づいてみよう。

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